カワラタケによるイペリットの完全分解



イペリットは担子菌培養液中で速やかにチオジグリコールに分解された。チオジグリコールはさらに分解され、エチレングリコールを経由して、最終的に完全に無機化された。有害物質の蓄積は確認されなかった。



ルイサイトは容易に加水分解を受け、2-クロロビニル亜ヒ酸に変換される。そこで、このモデル化合物として、ブチル亜ヒ酸を合成し、担子菌による分解を試みている。

ピクリン酸のモデル化合物である 4-ニトロフェノールの担子菌による分解を試みたところ、完全に無機化されることが判明した。現在、ピクリン酸の分解を行っている。


中国遺棄化学兵器に含まれる化学剤が担子菌により分解される可能性が強く示された。


本研究の一部は九州大学教育研究プログラム・研究拠点形成プロジェクトとして行われた。



研究課題:森林微生物の生物機能解析・強化による次世代対応型プロセス工学・環境工学への新展開
研究組織:農学部・工学研究科・薬学部
審査部門:広領域  採択年度:H10-H11  種目:B  代表者:割石 博之(農学研究院 森林資源科学部門 助教授)