工学研究院 地球資源システム工学部門
         教授 松井紀久男・糸井龍一,助教授 島田英樹 他6名
インドネシア・バンドン工科大学 S.Kramadibrata・B.Sulistianto 他3名


<研究の目的>
インドネシアにおいて最高学府であるバンドン工科大学(ITB)資源工学科及び地質学科に九州大学大学院工学研究院地球資源システム工学部門の教育・研究の拠点を設ける。

<期待される効果>
1)

教育・研究拠点をインドネシアに構築でき、両者の教育・研究が飛躍的に発展する。
2) 資源開発の分野において新しい研究テーマの発掘が可能となる。
3)



インドネシアにおいては、今後の益々、資源・エネルギー開発は増える傾向にあり、本研究で得られた成果を資源の調査・探査及び開発・生産・リハビリテーションに用いることで地球環境に優しい、最適な資源の開発・生産が可能となる。
4)

インドネシアでは高度な知識や技術を有した資源開発技術者が不足しており、国際的に活躍できる研究者・技術者の育成に役立てることができる。
5)


地球環境の保護の観点から資源開発・生産・リハビリテーションを最適に行うことで資源の輸入・消費大国である日本の責任を果たすことができる。

図1 わが国のエネルギー資源(2002年)


わが国の石炭事情




わが国・・・世界第1の石炭輸入国、
年間1億6千万トン以上の石炭の輸入と消費
 −海外での新規鉱山の開発、海外への技術移転
世界的に今後の石炭の開発・利用の増大
無秩序な開発−地球環境問題を一層悪化


資源の開発・利用と環境保護で世界に貢献
               ・・・わが国の義務

図2 日本の主要な石炭輸入先(2004年)

図3 世界の石炭埋蔵量と生産量(2003年)

図4 インドネシアの炭鉱位置図


インドネシアの石炭鉱業



埋蔵量約500億トン(褐炭・亜炭-58%、亜瀝青炭-25%、
瀝青炭-15%、無煙炭-8%)、可採76億トン


生産規模の増大−2,300万トン(1992)
・・・1億1,400万トン(2003)今後も増加予想、新規鉱山の開発
第3位の日本への輸出国−年間約2,000万トン


99%は露天掘り鉱山からの生産
            ・・・この傾向は2020年程度まで続く


石炭−一次エネルギーの16.9%、電力の34.8%(2001)
                    ・・・今後も増加
石炭鉱山の開発の増大と石炭の利用−環境問題
日本の炭鉱技術移転国 ・・・JCOAL、NEDOのプロジェクト


露天掘り鉱山の開発

樹木の伐採・除去−森林破壊


表土の除去−浸食、地下水/
河川水の酸性水化と汚染
採炭−粉塵、発破振動
選炭−汚染水


土地の復旧(リハビリテーション
       /リクラメーション)

閉山/維持管理(環境モニタリング)


図5 樹木の伐採・除去

図6 表土除去

図7 発破作業


図8 トラック&ショベル
   による剥岩 

   
図9 ドラッグラインによる剥岩


図10   石炭の採掘     
(トラック&ショベル)

図11   石炭の採掘      
(バケット・ウィール・エクスカベータ)

図12   オーガーによる   
   ハイウォールマイニング

図13 採掘跡での自然発火

図14 採掘跡池でのメタンガス湧出

図15 採掘跡の     
   ハイウォールの浸食

図16 埋め戻し箇所での滑り破壊


図17 高硫黄分を含む
   炭層からの酸性水 

図18 リハビリテーション終了
   (1年後)

図19 リハビリテーション終了
(3年後)

図20 沈殿池でのpH/電導度計測



モニタリング



衛星画像、GIS、GPSを使った
モニタリングシステム

採掘に伴う地山の動き

埋め戻し箇所の地山の動き

地下水の汚染・流動

河川水の汚染


緑化モニタリング

図21 KPC炭鉱での鉱山水
   モニタリング結果


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