大学評価の目的と研究の概要

 大学評価では、教育・研究・管理運営などが評価対象となるが、それらの中でとくに教育評価は、他に比べて、対象となる活動が複雑かつ多面的であるため、難しい点が多い。

 本研究では、あえて教育評価に焦点を絞り、「評価の本来の目的に対する意識を強化する形で、適切な評価基準と効果的な資料提示による説得力のある評価書を作成する方法の開発」という課題を設定した。

 具体的には、『教育評価マニュアル』の作成をめざし、多様な評価経験を有するメンバーからなるチームによって、各種大学評価について研究を実施した。


教育評価シンポジウムの開催

 事前に二つの大学を対象に訪問調査を実施した。

 名古屋大学では、評価関連情報を個々の改善に役立てるばかりでなく大学経営情報として活用する方向について有益な示唆を得た。

 国際基督大学では、評価・改善を組織文化・教員文化として定着させるための学長のリーダーシップのあり方などについての経験を伺った。

 これらの訪問調査の結果を学内に還元するために、名古屋大学評価情報分析室の池田室長と国際基督教大学の絹川学長を九州大学にお招きし、教育評価シンポジウムを開催した。
シンポジウムの講演者
ディスカッションの様子

教育評価マニュアル

 調査研究、訪問調査およびシンポジウムの開催の成果をもとに、「教育評価マニュアル」などを作成した。

 <主な内容>
1)

大学評価機構の評価などの各種第三者評価についての包括的で密度の高い調査研究、
2)

自己評価書作成における評価体制・評価基準・根拠資料に関するノウハウ、
3)

評価の必要性に関する意識を高めるための大学評価の過去・現在・未来など


 
 また、このマニュアルの作成は、九州大学出版会からの刊行という成果につながった。

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