未来を拓く大学体育 ―授業研究の理論と方法― |
研究代表者:橋本公雄
(健康科学センター) |
橋本公雄・根上優・飯干明(著) |
近年、大学生の体力の低下、メンタルヘルスの悪化、コミュニケーションスキルの低下などが指摘されているが、これらの心身の健康問題は就学に関わる問題でもあり、各大学とも看過できない状況にある。身体活動・運動には身体的・心理的・社会的な効果や恩恵があることは周知の事実であり、現在学生間に惹起しているこれらの心身の健康問題は大学体育授業での改善もある程度可能と考えられる。 そこで、大学生の心身の健康問題に対処するため、全九州の多領域にまたがる研究者で、科研費(B)の研究助成金を申請(2回獲得)し、体育授業改善のプロジェクト研究を開始した。本書はこの7年間の研究成果をまとめたものであり、わが国初となる学術書となる。具体的には認知的社会理論やトランスセオレティカル・モデルなどの行動変容理論・モデルに準拠した独創的な体育授業プログラムを開発し、その効果検証を行ったもので、多くの独創的プログラムの有効性が認められた。また、体育実技のプログラム作成に必要な三元論的相互干渉モデル(価値、魅力、冒険・挑戦の3つの構成概念)と心理社会的要因(社会的スキル)を媒介変数とする体育実技授業に伴うメンタルヘルス改善・向上効果のモデルを構築した。週1回の大学体育授業でも、心身の健康問題に対処できることを実証的に明らかにした書籍である。 |
研究課題:大学体育の未来を拓く―授業研究の理論と方法―
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