「昆虫のヒミツ」展へようこそ


 窓を開けると入ってくる蚊やハエ、台所に出るゴキブリにいやな思いをする人も少なくないと思いますが、多くの人は子供のころにカブトムシやトンボで遊び、昆虫を楽しい遊び相手としてとらえていたと思います。
 このように身近な昆虫ですが、実はわかっていないことばかりです。その理由として、その種数の多さがもっとも重要な点としてあげられます。世界で100万種を超える昆虫が知られており、詳しい生態がわかっているものはほんのわずかです。このことから、昆虫は学問の対象としても重要な生物で、九州大学だけでも、20人以上の教員が昆虫の研究を行っています。
 本合同企画展では、九州大学で行われている昆虫の研究から、昆虫の「ゆたかさ」の実態を紹介します。また、珍しい昆虫の標本を見たり、生きた昆虫に触れたりすることによって、昆虫をより身近に体験する場をもうけました。
 展示をご覧いただき、昆虫という存在の不思議さや偉大さを感じ、彼らの住む自然環境へ目をむけるきっかけになればと願っております。

九州大学総合研究博物館
館長 松隈 明彦

福岡市立少年科学文化会館
館長 瀬戸 京一


ごあいさつ


 九州大学でおこなわれている昆虫学の研究内容を福岡市民に知っていただくため、福岡市少年科学文化会館と九州大学は共催で「昆虫のヒミツ」展を開催することになりました。昆虫の特徴は、一言でいうと多様性です。昆虫は動物の大半を占め、個体数も膨大で、樹上から土中、そして水中にいたる地球上の多様な環境に進出しており、その形態や生態の多様性には目をみはるものがあります。九州大学では、数多くの研究者が、多様な昆虫たちのさまざまなヒミツを解き明かしてきました。そして今も、学生と教員、職員が一丸となって、不思議に満ちた昆虫たちを相手に日々、研究しています。
 昆虫に魅せられた九州大学の研究者が実行委員会を組織し、お互いに協力しながら「昆虫のヒミツ」展を企画いたしました。大学における研究内容の一部を市民の皆様に少しでもお伝えすることができれば幸いです。そして昆虫博士の卵たちがこの催しを楽しんでくれれば、こんなに幸せなことはありません。

実行委員長 阿部 芳久