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いろいろなアリたち
 アリはハチの仲間です。日本からは約280種が知られています。世界中からは約1万種が記録されていますが、まだまだ未発見のアリも残されています。

オオズアリのハタラキアリの二型
 オオズアリの巣には頭の大きな兵アリと小型のハタラキアリたちがいます。兵アリは巣を守ったり、大きな餌を解体したりする役割をしています。小型のハタラキアリは幼虫を育てたり小さなエサを運んだりします。

トゲアリの警戒態勢
 トゲアリは胸や腰によろいのような刺をもっています。トゲアリはヤマアリの仲間で、このグループは敵におそわれたときにギ酸を吹きつけます。おしりを曲げているのは、ギ酸を吹きつける警戒態勢です。

サムライアリの奴隷狩り
 サムライアリは他のアリをおそって、その幼虫や蛹を自分の巣に持ち帰ります。これを「奴隷狩り」といいます。
 さらわれた幼虫や繭はサムライアリの巣で成虫のハタラキアリとなって、サムライアリのために働くことになるのです。

大アゴのひみつ
アギトアリは大アゴでジャンプ
 アリのなかには、長い大アゴを開いて、獲物にふれるとバネ仕掛けのようにパチンと閉じることができるものがあります。そのしくみは、種によって異なりますが、大アゴを開いた状態で固定し、力を引き絞る仕掛けがあるのです。このバネ仕掛けを使ってアギトアリではジャンプすることもできます。


大アゴを開いて獲物をねらうウロコアリ
 ウロコアリでは大アゴの根元に突起をもち、普段は上唇のくぼみに収まっています。
 大アゴを開くと上唇が上にあがり、張り出し部分で大アゴの突起がロックされ、強力な筋肉で閉じる力を引き絞ります。そしてこのロックがはずれると獲物のトビムシをパチンと挟むのです。


ウロコアリのトラップ・アゴのしくみ

図:緒方一夫、写真:小松 貴

作成:緒方一夫 熱帯農学研究センター

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