バイキング(Viking)は8世紀から300年以上のあいだ西ヨーロッパ沿海部を侵略したスカンジナビアの武装船団であり、中世ヨーロッパの歴史に大きな影響をあたえました。バイキングは海賊、交易、植民だけで暮らしていたわけではなく、故郷においては農民であり漁民であったそうです。彼らは手工業のわざにすぐれ、職人としての技量は当時、世界最高のレベルでした。

バイキングの航海:緑色はバイキングの居住地(植民地)、青線は航路、数字は到達年。黒海やカスピ海、北アメリカ大陸のニューファンドランド島にも到達しています。(拡大図はこちら

 バイキングはロング・シップとよばれる喫水の浅く、細長い船を操りました。ロング・シップは外洋では帆走もできましたが、たくさんのオールによって漕ぐこともでき、水深の浅い河川にでも侵入できました。陸上を船をひっぱって移動することもあり、バイキングはまさに神出奇没の存在で、その襲撃を阻止することは困難でした。
 バイキング船については、ノルウェーのオスロ市郊外ビュグドゥイ、およびデンマークのロスキレ市にある「バイキング船博物館」が中心となり研究がおこなわれています。
パネル作成者:後藤 浩二(九州大学大学院工学研究院 海洋システム工学部門)

フレームが表示されていない場合はこちら