大型船のように金属の板や棒からなる構造物は、エンジン、プロペラ、発電機などから発生する周期的な力(起振力)によって振動します。構造物には、固有振動数とよばれる、大きな振動を生じやすい振動数が複数あります。起振力の振動数が、この固有振動数にちかづくと特有の形(振動モード)で大きく振動します。このような状態を「共振」といいます。共振して大きな振動がおこると、精密機器が壊れたり、乗り心地が悪くなったり、ひどい場合は、金属に亀裂が入ったり(金属疲労)します。そこで、設計者は、なるべく共振が起こらないようにあらかじめ、固有振動数を予測して、エンジンやプロペラの種類を選び、構造寸法を変更したり、振動を抑える装置(防振装置)をつけたりします。
 鋼鉄製の平板の共振現象は、以下のような装置で観察することができます。


パネル作成者:安澤 幸隆(九州大学大学院工学研究院 海洋システム工学部門)

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