九州大学の岩石標本
岩石は火成岩、変成岩、堆積岩の3つに大きく分類されます。理学研究院所蔵岩石標本は、このうち火成岩,変成岩の試料から成ります。主に、旧理学部地質学科と現理学研究院地球惑星科学部門において行われた卒業研究、修士研究、博士研究の過程で調査中に収集された試料です。これらの研究は地の利を生かして主に九州を対象としてきました。よって、所蔵する標本も九州に産する火山岩、深成岩、変成岩が中心です。九州を構成する岩石は形成時期も種類も多岐に渡るため、2億年前にできた岩石から有史時代にできた岩石まで、できた場所もマントルから地表まで、さまざまな岩石を網羅しています。また、日本全国の有史時代の火山噴出物も含まれています。そのため、火山噴火の様子を想像し再現しながら、火山ごとの噴出物の違いを見比べることができます。当該標本には、一部、海外の岩石試料も含まれます。主に、海外学術調査で採集した、アフリカの深成岩、変成岩です。国内の標本が大陸縁辺から島弧の岩石であるのに対し、これらの試料は安定大陸を構成する岩石です。