九州大学の鉱山・製錬標本

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1. パドル炉 Puddling Furnace
 69×32×77 cm、英国(18世紀末)、資源工学及び材料工学関連標本
 Henry Court (1740-1800)が、この反射炉を使用した煉鉄製造法で1784年に特許を得た。熔銑を鉄の棒で撹拌(Puddling)し脱炭反応を促進させて煉鉄を得る。燃料と熔銑との接触がないので石炭を燃料とすることができる。これにより英国の鉄生産量は急増した。


 
2.ピルツ式溶鉱炉 Pilz's Blast Furnace
 54×53×78 cm、ドイツ(19世紀後半〜20世紀前半)、資源工学及び材料工学関連標本
 G. J. Pilz (1828-1887)が1866年に製作した熔鉱炉。主として鉛製錬用に、20世紀前半まで世界各国で広く使用された。円形断面で、水冷ジャケットを備えているのが特徴である。わが国では、明治22年に佐渡鉱山で稼動したのが最初である。



3. カウパー式熱風炉 Cowper's hot blast stove
 63×43×110 cm、資源工学及び材料工学関連標本
英国(19世紀後半〜)
 最近でもほとんどの溶鉱炉に採用されている蓄熱式送風予熱炉。このカウパー式熱風炉によって、熱風使用の効果が全世界に認識された。1860年に英国Ormesby製鉄所で熱風温度620℃が達成され、銑鉄生産量が20%増大した。一世紀以上の長寿命は驚異的である。


4. 雲根志(うんこんし)
 21.7×15.5 cm 、3冊、鉱山史料
 明和9年(1772年)江州山田浦、木内小繁重暁の著。 江戸時代、鉱物・化石など石の研究者である木内石亭は、全国から集めた標本をその形態や由来などによって 「霊異類」「采用類」「変化類」「奇怪類」「愛玩類」などに分類し、それぞれに挿絵を加えて解説しています。 安永2(1773)年『雲根志』前編を発行、7年後の安永8(1779)年に後編を、更に補遺として享和1(1801)年に三編を発行しました。 『雲根志』の雲根とは、中国の古語で、「雲は石間より生ずる」、つまり  空気中の水蒸気が冷たい石に触れることで水滴となることから雲の基(根)であると考えられた「石」を意味しました。

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