九州大学の海藻標本

 農学研究院・水産増殖学研究室の海藻類標本庫(マリーン・アルガル・ハーバリウム)は海藻類の押し葉標本(さく葉標本とも言います)が未整理のものも含めると、少なくとも1万点以上保存されています。これらの押し葉標本の大部分は、かつてこの研究室で教授をつとめられた瀬川宗吉博士(1904−1959)が収集・整理されたもので、その名にちなんで瀬川コレクションとよばれています。瀬川コレクションはその数もさることながら、広く日本各地の材料を網羅していることや、戦前の材料として台湾や樺太のものも含まれている点で、貴重なコレクションといえます。版を重ねて現在でも海藻類の検索に良く利用される、保育社の「原色日本海藻図鑑」に使用された標本は、その大半がこの瀬川コレクションに含まれ、図鑑基準標本としてきちんと整理・保存されています。国内の研究者はもとより、時に外国の研究者からも借用の依頼がくるほどです。

藻類の系統
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