九州大学の昆虫標本

1.昆虫 画像をクリックすると詳細な図がご覧いただけます。
1. 熱帯アジアの昆虫
 55点、農学研究院昆虫学教室所蔵
 ニューギニア、インドネシア、マレーシア、タイなど熱帯アジア各地で行なった学術調査の際もたらされた標本の中から大形美麗な昆虫を集めました。チョウ・ガ類(14点)、ナナフシ・バッタ・カマキリ類(7点)、甲虫・ゴキブリ類(34点)が含まれます。

   
2.チョウ類標本
 21種、比較社会文化研究院生物体系学教室所蔵
 別名、鱗翅目。チョウとガを含み、翅が鱗片に覆われます。口は一部の原始的なグループを除き管状。九州大学には、国際的なチョウ類の研究者であった故白水隆博士のコレクションや、杉谷コレクションなどチョウの研究をする際、必ず参照されるコレクションがあります。標本はアジア各地から採集されたアゲハチョウ科、シロチョウ科、タテハチョウ科、シジミタテハチョウ科、シジミチョウ科、セセリチョウ科のチョウ類(21種)が含まれます。

3. ハエ類標本
 標本点数:223点、うち5点はハチ、比較社会文化研究院生物体系学教室所蔵
 別名、双翅目。後翅が退化し小さなこん棒状の構造となり、外見上、翅は前翅の2枚のみ。口はなめたり刺したり、吸うタイプ。一般に、ハエ、アブ、カと呼ばれるグループが含まれます。九州大学には、日本最大規模の双翅目標本があり、教員や院生・学生の研究材料となっています。標本はアジア各地から採集された代表的なハエ目の科を示しており、吸血性のアブ類の口の変化や、スズメバチ等への擬態と考えられるハナアブ科の多様な形態、昆虫では珍しい胎生のハエ類(蛹生類)であるツェツェバエやシラミバエなどが含まれます。

4. カメムシ類標本
 30種66点、農学研究院昆虫学教室所蔵
 別名、半翅目。口は植物の師管・導管液や他の小昆虫などの体液を吸汁するために、針状に特殊化(たとえば、セミの口針など)。九州大学には、世界的な昆虫学者である故江崎悌三博士や宮本正一博士が収集した標本などが多数含まれており、世界中の研究者に利用されています。セミ、ヨコバイなど翅が屋根形に畳まれ、前翅と後翅が同質な膜状をしたヨコバイ亜目と、翅が腹の上で重なるように畳まれ、前翅の基部が角質化するカメムシ亜目に分けられ、標本は、それぞれの代表的な科を示しています。

5. ハチ類標本
 30種60点、農学研究院昆虫学教室所蔵
 別名、膜翅目。口は基本的に噛むタイプだが、高等なミツバチ上科では噛むことと吸うことを兼ね備えた構造となる。幼虫が植物を食べるハバチ類、他の昆虫に寄生する寄生蜂類、雑食性のアリ類、狩猟をするカリバチ類、花から花粉と蜜を集めるハナバチ類などが含まれます。九州大学には、東アジアから中央アジアにかけてのハナバチ類の標本や東南アジアを中心としたアリ類の標本が充実しています。標本はムカシハナバチ科、コハナバチ科、ヒメハナバチ科、ハキリバチ科、ミツバチ科に含まれる日本産ミツバチ上科の代表的な種(30種60点)からなります。


[コウチュウ類標本]
別名、鞘翅目。前翅は硬い鞘翅となって腹部を覆う。口は噛むタイプ。カブトムシ、コガネムシ、クワガタ、タマムシ、ホタル、テントウムシ、カミキリムシなどが含まれる生物界最大のグループ。九州大学には、とくにクワガタムシ、テントウムシ、ゾウムシなどの標本が充実しています。

6. クワガタムシ科標本
 17種29点、うち2点はコガネムシ科、比較社会文化研究院生物体系学教室
 大顎の発達する仲間から、それの発達しないクワガタらしくないクワガタなどクワガタムシ科の形態の多様性と著しい体長差、同一種内での個体変異を示しています。クワガタに似るがクワガタの仲間ではないクワガタコガネも含んでいます。

7. ゾウムシ上科標本
 87種95点、農学研究院昆虫学教室所蔵
 頭の一部が突出し、その先に口をもつユニークな形をした甲虫。カミキリムシのように長いひげを持つヒゲナガゾウムシ科、葉を巻いてゆりかごを作るオトシブミ科、雄雌で頭(とくに口吻)の形が顕著に異なるミツギシゾウムシ科、生物界最多の種数(50,000種)を誇るゾウムシ科など、代表的なゾウムシ類を世界各地から集められた標本で示しています。

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