3.九州大学の動物分野標本
九州大学動物分野ではほ乳類、鳥類、両生類、爬虫類などの1750点におよぶ動物のハク製や骨格標本を収蔵している。各標本の特徴は以下のようである。
ほ乳類
国内、外のゲッ歯類、食虫類および翼手類などの小型ほ乳類を主体とし、国内産の兎類、食肉類、偶蹄類および霊長類の標本約650点を保有する。これらの標本の収集は1950年代から始まり、琉球弧島にのみ限産するアマミノクロウサギ、ケナガネズミやトゲネズミなどの天然記念物、また尖閣諸島のセンカクモグラなどの貴重な標本が含まれている。
鳥類
国内、外の鳥類、アビ、カイツブリ、ペリカン、ガンカモ、コウノトリ、ワシタカ、ブッポウソウ、チドリ、ツル、キジ、ハト、アマツバメ、キツツキおよびスズメ目など、15目35科110種の剥製標本323点を保有する。これらの標本は、動物学講座初代教授の大島廣が南方で、あるいは依頼して集めたもので、カラスバト(天然記念物)、オオアカゲラ(絶滅危惧種、天然記念物)、アカヒゲ(天然記念物)、ルリカケス(危急種、天然記念物)、アカハジロ(希少種)、オオタカ(緊急種)、ハヤブサ(緊急種)、ホウロクシギ(希少種)などの貴重な標本を含んでいる。
両生・爬虫頬
1920年から1930年代にかけて採集された国内産の標本で、特にサンショウウオ類の15種、200点の標本が含まれる。これらの標本は、環境変化に伴い現在では採集できない地方の標本も多く含まれるため貴重なものとなっている。
展示標本は動物学教室のコレクションとして、動物学の講義用教材として蒐集されたものである。大小数多くの標本の中から、今回は哺乳動物の生活様式をよく示している四肢、中でも前肢の形態と機能に焦点を当て、相同性の見地から比較する。→哺乳動物の前肢の形状の相同性(いずれの哺乳動物においても前足の構造が基本的に同じこと)についての説明はこちら
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