1. 九州大学の化石標本

 化石とは、過去に生き物がいた証しです。過去の生き物の遺骸だけでなく、生活の痕跡(巣穴や足跡など)も化石に含まれます。化石を研究することで、昔の地球の姿や生き物のたどってきた歴史が浮かび上がってきます。
 九州大学には、理学研究院地球惑星科学部門(旧地質学教室)を中心に、85,000点を超える化石標本(石炭標本を含む)が保管されています(2005年8月現在)。
 九州大学の化石標本の多くは、旧地質学教室の歴代の先生や学生たちが研究・教育のために国内外から採集・収集したものです。新種を記載したとき使用した重要な標本(完模式標本・副模式標本)も多数含まれています。特に、フズリナ化石(古生代後期)やアンモナイト化石(中生代)、二枚貝・巻貝化石(中生代−新生代)のコレクションは、質・量ともに世界有数です。また、東南アジアや南米など、海外で採集された化石標本の中には、産地が消滅したために現在では採集できない貴重な資料も含まれています。
 これらの化石標本は、日本国内だけでなく海外の研究者にとっても、貴重な研究資料として役立っています。
 今回の展示では、各地質時代を代表する化石標本を選んでいます。必ずしもきれいな標本ばかりではありませんが、見た目の悪い化石でも、研究によって新しい発見があるかもしれません。

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