人間は世界中のあらゆる所で生活して、農業活動を行っています。熱帯から寒帯まで、海抜0 mから4000 mの高地までさまざまな作物(植物)を栽培して食料を得ています。したがって、そこで生産される作物の種類、農業の形態も非常に異なっています。

熱帯湿潤地帯ではヤム、タロのイモ類、バナナそして稲が作られています。乾燥地帯では豆類やソルガムなどの雑穀が作られています。草地を求めて移動する遊牧なども、この地帯の特徴です。温帯では麦類を中心に各種野菜が作られています。寒冷地帯では麦類、ジャガイモなど低温に適応した作物が作られています。

この分類は水平的な分類ですが、垂直的な分類もあります。たとえば、南米のアンデス山の高度差によるイモ類の起源の違いは面白く、海抜0 mの熱帯湿潤地域ではキャサバ、2000 mの温帯気候ではサツマイモ、3000 mの冷涼地ではジャガイモが発達しています。また熱帯では、土地生産性をあげるために異なった作物を同一箇所に植える混作(間作)、作物と木本類を組み合わせるアグロフォレストリーなどがあります。





パネル作成者: 福山 正隆(農学研究院植物資源科学部門)、廣田 修(熱帯農学研究センター作物生産部門)