倭人伝の道
2-13 奴国
 ひえ
 比恵遺跡
 福岡市博多区、駅南一帯の微高地上にひろがる弥生時代・古墳時代から古代にわたる複合遺跡。1934〜35年の区画整理事業に伴う工事の際に発見され、1938〜39年にかけて、鏡山猛・森貞次郎による第1次発掘調査がおこなわれ、甕棺墓、方形環溝4基、竪穴住居跡、井戸などの遺構が検出されました。遺物は弥生時代中期後半から古墳時代前期のものが多く、方形環溝もこの時期幅におさまるものと考えられます。これらは弥生時代集落の姿を具体的に検討するために得られたほぼはじめての資料であり、集落構造の分析に基づいて弥生時代の社会の構造を復元する研究は、ここからはじまったと言って過言ではありません。最近では、主に福岡市教育委員会による数多くの調査がおこなわれ、弥生時代だけではなく、古代の大型倉庫群など、各時代にわたる貴重な資料が発見されています。

調査風景

1号環溝内遺構配置図

作成者:榊原俊行(九州大学大学院人文科学府)
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