倭人伝の道
2-3対馬
 とうのくび
 塔の首遺跡
 対馬市上対馬町古里字所陽所在の遺跡。
 1971年に上対馬町教育委員会・長崎県教育委員会・別府大学・長崎大学・九州大学による調査が行われ、その後1977年には国指定史跡に認定されました。
 比田勝港の北東、西泊湾を望む低い旧岬上に位置し、弥生時代の後期前半の石棺が5基発見されました。広形(ひろがた)銅矛2本の他、銅釧(くしろ)・方格規矩鏡(ほうかくきくきょう)・8000個におよぶガラス小玉・管玉・水晶製棗(なつめ)玉・鉄斧・弥生土器・朝鮮半島系土器など多くの遺物が棺内外から発見されています。
 とくに、第3号石棺からは、国産の広形銅矛2本と弥生土器と朝鮮半島系土器が一緒に出土しています。このことは、広形銅矛が後期前半には出現していたこと、対馬では広形銅矛を副葬する場合もあったこと、さらに弥生土器と朝鮮半島系土器との年代比較が可能になったことを意味しており、学史上においても重要な発見となっています。

塔の首遺跡遠景

青銅武器形遺物

作成者:パネル作成者:城門義廣(九州大学大学院比較社会文化学府)
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