倭人伝の道
2-9伊都国
 みくも
 三雲遺跡
 福岡県前原市大字三雲および井原の、瑞梅寺川と川原川の扇状地上に所在する、弥生時代前期から古墳時代前期にわたる複合遺跡。
1822年(文政5年)に農民により南小路(みなみしょうじ)から偶然発見された甕棺からは、銅鏡約35面、銅矛(ほこ)2口、勾玉(まがたま)、管玉(くだたま)、ガラス璧(へき)等が発見され、また天明年間には井原村鑓溝(やりみぞ)から、古鏡21面、刀剣、巴形(ともえがた)銅器3個などが「壷」中より掘り出されたという記録が残されており、早くから注目を集めました。その後の福岡県教育委員会、前原市教育委員会による発掘調査では、弥生時代中期から古墳時代前期の遺構、遺物が特に多く出土しており、魏志倭人伝に記載された「伊都国」の中心的な集落であったと考えられています。広形銅戈(か)鋳型の詳しい出土地点は不明ですが、同遺跡における青銅器生産、また、銅戈の製作技術を考えるうえで貴重な資料といえます。

三雲遺跡周辺図

唐泊銅矛出土推定地
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作成者:榊原俊行(九州大学大学院人文科学府)
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