古墳時代の北部九州の諸豪族
3-6
 いわとやま
 岩戸山古墳
福岡県八女市所在。国指定史跡。
 『筑後国風土記(ちくごのくにふどき)』の記述をもとに検討した森貞次郎の研究によって、527年に北部九州で反乱を起こした筑紫国造磐井(つくしのくにのみやっこいわい)の墳墓であることが明らかにされたことでも著名な古墳で、6世紀前半代に築造されたと考えられます。全長135mの前方後円墳で、外堤(がいてい)を含めると185mにもなります。墳丘周囲には幅約20mの周濠(しゅうごう)と外堤があり、東北隅には外堤に続く一辺43mの方形の別区があります。これまで岩戸山古墳からは石人・石馬や形象埴輪(けいしょうはにわ)、円筒埴輪などが出土していますが、このうち九州大学には、1946年の九州考古学会による調査、1969年・1971年の八女市教育委員会・九州大学考古学研究室の調査によって出土した資料などが保管されています。
 特に1969年に行われた別区の規模・構造等の確認調査において出土した形象埴輪は人物・馬形埴輪を中心としており、石人・石馬に加え、別区の具体的様相を知る貴重な資料といえます。
岩戸山古墳航空写真
(八女市教育委員会1987『岩戸山古墳』より)

石靫(ゆぎ)

石馬実測図
(石人石馬研究会)

作成者:渡邊誠(九州大学大学院比較社会文化学府)
フレームが表示されていない場合はこちら