ワンドって何だろう? 耳慣れない言葉だけれど、漢字では湾処と書き、小さな入江を意味します。入江なのでワンドの中の水の流れはとてもゆるやかです。下の図と写真は自然にできたワンドです。
ワンドの役割 (1)子どもの成育場、(2)弱い流れを好む生物の生息場、(3)緊急時の避難場:緊急時とは台風などで大水が出たときです。7月上旬の大雨の後では、右下の写真のワンドにはいつもにくらべ4〜10倍の魚が集まっていました。
右:宮崎県の北川感潮域の自然ワンド(満潮時)

ワンドを復元し、川の生命多様性を回復させよう 川は私たち人間の暮らしには欠かせません。そのため、私たちはこれまで人間に都合のいいように川を造り変えてきました。その結果、川にもともとすんでいたさまざまな生き物たちにとってすみにくい川となりました。その反省から、ワンドを復元させるためにワンドのしくみを調べています。
右:宮崎県の北川河口域につくられた人工ワンド(手前)と本流(奥)


作成者  及川信 おいかわしん (生物資源環境科学府附属水産実験所)