多様性の評価
- 都市公園のアリたち -


都市の中に住むアリ類はどのような種がいて、どのような特徴をもつのでしょうか。福岡市の都市公園でアリの多様性を調査しました。


30分を単位とする8回のサンプリングで得られたアリ

合計で31種が分布しており、南公園の方が百道中央公園より種の多様性が高いといえます。


8回のサンプリングによる累積種数のパターン

サンプリングによる種の増加をランダム化して累積してみると、南公園の方が高い増加率を示します。

サンプリングの累積種数の増加曲線から、南公園にはまだ多くの種が生息していることが予想されます。



2つの公園で採集された種のうち、広域分布種について注目すると、累積種数曲線はより顕著が相違が見られます。


広域分布種の例:アジア全域もしくは汎世界的に分布する種を「広域分布種」として扱いました。例えば、百道中央公園で見られたオオシワアリTetramorium bicarinatumは、熱帯・亜熱帯を中心に汎世界的に分布しています。





百道中央公園では広域に分布する種の割合が高く、南公園では低いことが明らかになりました。広域分布種は、新たな環境へ侵入する能力の高い種であり、2つの公園では種数ばかりでなく生息する種の性格も異なっていることが示されました。


ポスター担当

緒方 一夫 (Kazuo OGATA)(熱帯農学研究センター・助教授)


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