九州のゆっくりとした地殻変動をとらえる
Vertical crustal movements during the past 125000 years in Kyushu

過去12.5万年間の九州の動きを海成層を使って調べる


水準点からのレーザー測量


沈降地域では12.5万年前の海成層は地下にのみ存在するので、
ボーリングコアを使って地下の地層を調べます(八代市)

宮崎平野は隆起して、12.5万年前に海底で堆積した地層(海
成層)が120mの高さの台地(三財原面)をつくっています

地殻のゆっくりとした動きを確実に捉えるために、海成層を用いて12.5万年前の旧海岸線の現在の高度を調べました。当時の海岸線は現在の海岸線の高さとほぼ同一であったので、旧海岸線の現在の高度は過去12.5万年間に生じた地殻上下変動の累積量を示します。
調査の結果、宮崎平野では120mの大きな隆起、熊本平野では80mの大きな沈降、北部九州のゆっくりとした沈降が過去12.5万年間に生じたことが明らかになりました。この動きは過去20万年間続いており、将来も続くと考えられます。



九州西海岸に沿った調査地点と12.5万年前の海岸線の現在の高度に基づく地殻上下変動のイメージ、現在の海岸線からの高度差が+なら隆起、−なら沈降を表します


九州東海岸に沿った調査地点と12.5万年前の海岸線の現在の高度に基づく地殻上下変動のイメージ、現在の海岸線からの高度差が+なら隆起、−なら沈降を表します

パネル作成者: 下山正一(理学研究院地球惑星科学部門)

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