2002年4月、大阪大学総合学術博物館が省令に基づく8番目の国立大学博物館として発足しました。2002年11月に豊中キャンパス内に常設展示室を設けました。 ○常設展示 豊中キャンパスの大学教育実践センター−イ号館(国の登録文化財)の1階に設けています。2004年4月に大幅に改修し、約100m2で、『マチカネワニとキャンパスの博物誌』と題し、「待兼山の自然・環境の変遷」、「発見!マチカネワニ」、「人々の暮らしの足跡(待兼山と中之島地区)」、「待兼山ゾーンの将来構想」の4コーナーからなります。展示の中心は約40万年前の大阪に生息していたマチカネワニの化石です。1964年に理学部の建設現場から出土したもので、尾骨以外がほぼ完全に揃った世界でも珍しい貴重標本で、全長約6.5〜8mの世界最大級のワニです。 |
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今後は、待兼山の地下に眠る古墳などから出土した土器や、待兼山の自然をテーマとした展示を充実させていく予定です。 ○企画展示 2002年の第1回は、「いま阪大で何が?−人間・地球・物質」と題し、人間・地球・物質の3分野で20チームが成果を展示しました。目的を達成した研究も、まだ試行錯誤の段階にある研究もあります。また1931年に開学した大阪大学の二つの源流である、学問所懐徳堂、緒方洪庵創設の適塾を紹介する「懐徳堂資料展」・「適塾資料展」を同時開催しました。 2003年の第2回は「ジグソーのピースを探して―調和と共生―」と題して、20チームの展示と17名のミニレクチャーを行いました。 今年度の第3回は「疑問があなたを変えるんです−常識と非常識−」と題し、大阪大学中之島センターで開催します。常識への挑戦、不思議な現象の解明、なぞ解きなどに関する18チームの展示や簡単な実験、14名のミニレクチャー、2回の模擬裁判や相談コーナーを設けます。 ○サテライト展示 昨年度に改修された旧医療技術短期大学部本館1階の一郭を利用して、本年土中に博物館のサテライトとして整備し、自然観察のガイダンス展示などを考えています。 |
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旧医療技術短期大学部本館南側に、博物館建物の建築用地が確保されているため、2003年度に「建築基本構想」を発表しました。地下2階地上4階、延床面積8,000m2余りの建物を計画中ですが、まだ基本設計に進めない状態です。 |
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大阪大学には約166万点に及ぶ膨大な量の標本資料が所蔵されています。阪大博物館には専用の収蔵施設がまだありませんので、各部局で分散的に所蔵・管理していますが、将来的には各部局の希望があれば阪大博物館に移管することを考えています。代表例をご紹介しましょう。
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○ユニークな研究活動 専任教官6名のうち4名が化学系の研究者であるという特長を活かして、博物館が中心となって、本年度から科学研究費補助金によって、文化財科学の新しい手法の開拓に着手しました。他の大学博物館にないユニークな活動になることが期待されています。 |
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○情報化 学内に分散して保管されている学術標本のデータベース化に力を入れています。特定のOSに依存しない画像と文字のデータを入力しており、成果をホームページに「MOUデータベース」として公開しています。また、貴重な標本情報を、画像データベース化とインターネットによる公開を柱に、学内外の方々が利用できるシステム(サイバーミュージアム)作りを目指します。 ○社会教育・生涯教育 豊中キャンパスの中で阪急石橋駅にもっとも近いという地の利をもつ旧医療技術短期大学部本館に文学研究科と共同でオープンセミナー室を設け、学外の方々の生涯教育や近隣の小学校・中学校の校外学習に活用するとともに、学内に整備された待兼山散策路の入り口に当たるため、自然観察のガイダンス展示も設ける予定です。 企画展示の際のミニレクチャーをMOU−TVとして配信しています。 |
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