■弥生文化のひろがり■

 縄文時代晩期、朝鮮半島から稲作農耕とともにさまざまな文化が伝来した。やがてそれらは縄文文化とも融合して、弥生文化となる。


 最古の弥生文化は北部九州に成立した。そして、やや足踏みした後、弥生前期の前半期のうちに周囲へとひろがり始める。
 その証拠として、北部九州の第2段階の弥生土器とほぼ同じものが、周囲でも出土するようになり、遠くは島根県や岡山県でも出土している。そして、それらがもとになって西日本の弥生土器ができあがるのである。


 このように弥生文化が成立と同時にひろがったのではないことは、北部九州で人口が増加したなどの事情が発生し、周囲へとひろがっていった可能性を示している。


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