■南九州の弥生人■

 種子島の広田遺跡を中心に、同島の鳥ノ峯遺跡や馬毛島・椎の木遺跡、あるいは奄美大島など南島各地から独特の特徴を持った弥生人が発見されている。


 後頭部が異様な程に扁平で短頭性が強く、顔面は著しく低顔、小顔傾向をみせ、鼻根部周辺は縄文人に似てかなり立体的である。身長は男性でも154cm(女性:142.8cm)しかなく、これまで日本で発見された古人骨集団では最も背の低い人々である。一応、縄文人的特徴を強く残した人々とされているが、独特の文様が彫られた貝製副葬品には大陸南部の影響も指摘され、その系統についてはまだ疑問が多い。


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