■渡来ルート■

 渡来的弥生人とよく似た古人骨は、たしかに東アジアの各地にみられる。しかし、よく似ているだけで日本へ渡来した人達と特定するわけにはいかない。当然のことながら、渡来とともに「文化の渡来」も伴うからである。


 では、縄文時代の晩期から弥生時代にかけて、北部九州をはじめとした西日本に文化的影響を与えた地域というと、当然朝鮮半島の南部があげられる。しかも、その影響は、稲作農耕、土器、石器、住居に習俗まで含んでおり、きわめて強いものであった。そして、この地域には4世紀以降の例ではあるが、弥生人とよく似た人骨も知られてきている。


 文化とあわせて総合的に考えると、金関が考えたように、渡来人は朝鮮半島南部から渡ってきたと考えるほかないのである。


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