■原始古代親族構造の研究■

 墓から出土する人骨たちの家族関係や、父系、母系といった社会のあり方を知ることは、人類史の研究には重要な意義をもつ。


 遺跡から出土した状態や副葬品などの考古学的証拠に加えて、人骨の遺伝的形質を分析すると、このような親族関係が明らかとなる。
 いままでの研究では、古墳時代の前半期は父系でも母系でもない双系的な社会であったのが、後半期になると父系的に編成されていくことが明らかとなっている。また、同時代の韓国の分析も進めており、日本と似た親族関係であったことがわかりつつある。

山口県朝田10号墳人骨の出土状態

復元された被葬者の親族関係

(田中・1990より)


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