(1)多様性の測定に関する研究

例:アリ類およびセミ類の多様性の測定

 ある地域における昆虫類の"真の"多様性は、従来の調査では測定することができなかった。これは、"真の"多様性を推定する方法が確立されていなかったことに起因する。


 



 出現頻度に基づいたICE法が"真の"多様性を推定するのに適した方法であることが明らかとなった。この推定法を使って、1回の野外調査で必要な調査労力や1年間に必要な調査回数を昆虫のグループごとに推定した。


(2)系統分類と生物地理に関する研究

例:キチョウ属の多様性

 多様な生物を保全するために、多様性の高い場所"ホットスポット"の特定が求められている。これまでは、種数の豊かさによってホットスポットが特定されてきた。





 アジアのホットスポットの中で、ボルネオ島には、多様な系統が分布していることが明らかとなった。ホットスポットを評価する新しい指標として、進化的な"系統"の豊かさも重要である。


研究課題:昆虫の多様性と環境保全に関する総合的アプローチ
研究組織:農学部・比較社会文化研究科・熱帯農学研究センター・理学部
審査部門:生命科学  採択年度:H11-H12  種目:B  代表者:湯川 淳一(農学研究院 生物資源開発管理学部門 教授)