(3)害虫防除から見た昆虫多様性の研究

例:導入ショクガタマバエが農業生態系に及ぼす影響

 野菜などの害虫のアブラムシ類を防除するために海外(オランダ)から天敵(ショクガタマバエ)の導入が行われている。


 


 日本産のショクガタマバエと外国産ショクガタマバエの間に、遺伝的な多様性が見い出された。同一種の導入であっても、このような相違がある場合には、遺伝的・生態的汚染に注意する必要がある。


 

環境保全へのアプローチ

1)日本産ショクガタマバエの利用に関する研究

・農業生態系への影響を最小限にするために、日本産の個体群を利用することを主張

2)熱帯高地に生息する稀少種 ヒウラキチョウの保全

・生息状況の解明
・"系統"の多様性がホットスポットの特定に重要であることを主張

3)「福岡県の希少野生生物・福岡県レッドデータブック2001」の編集

・昆虫類のリストアップと希少性の評価に貢献


研究課題:昆虫の多様性と環境保全に関する総合的アプローチ
研究組織:農学部・比較社会文化研究科・熱帯農学研究センター・理学部
審査部門:生命科学  採択年度:H11-H12  種目:B  代表者:湯川 淳一(農学研究院 生物資源開発管理学部門 教授)