研究の概要

 死なないための知識・技術は獲得できたが、死なないという結果を優先する余り、プロセスを軽視する医学になってしまった近代医学を、生活も人生もある患者がシビリアンコントロールできることを目的に、社会システムを対象に、再構築・変革過程の方法論を含めて体系化し実践していく。

1.近代医学の課題 

「死」に挑戦したヒーローたる近代医学。             
・・・・確かに死ににくくはなった。
しかし、すべての人は100%死ぬ。
・・・・では、医学の役割は?

2.医学の役割

1) 上位の役割
  意味のある人生を過ごせることに寄与する。

2)中位の役割
  自立した生活を、他の人々と生き生きとした交流を図りながら、楽しめるようにする。

3)下位の役割
  症状に伴う不安を察し、共になって、症状の原因となっている傷病に対処する。

3.誰が「共になって」傷病に対処してくれるのか?
 更に、意味のある人生を過ごせるようにしてくれるのか?

1) 制度・行政に委ねる
・・・・いつ実現?
2)医療の現場で担う:Local Initiative
(現場主導:九州大学法学研究院薮野教授命名)
  (1)人材育成
     医療経営・管理学専攻修士課程の専門大学院
     2001年4月に日本で初めてj九州大学大学院医学系学府にビジネススクールとして設置。
  (2)公開講座
     医療ネットワーク学講座
     2003年4月より開講
     コーディネーターの育成

4.生存政策学とは

近代医学=医師主導とみなすと、患者主導の医学が欠けていることに気が付く。

近代医学の課題=患者主導の医学の展開。

これらの、医師主導の医学患者主導の医学との統合・調整・組織化を図る学問大系が『生存政策学』である

九州大学大学院医学系学府 医療経営・管理専攻修士課程
 医療政策・医療経営・医療管理・医療コミュニケーション専門大学院
 
医療学基礎科目群

[医学概論]
[分子医学概論]
[診断学]
[内科治療学]
[外科治療学]
[社会医学]

共通専門科目群

[生存政策学]
[医療保障学]
[疫学]
[生物統計学]
[医療情報学]
[論文査読法]

  専門科目群

  医療政策学コース
     医療政策学/環境教育学/人口学etc
  医療経営学コース
     医療経営学/医療マーケティング論/医療財務管理論etc
  医療管理学コース
     医療管理学/リーダーシップ論/医療訴訟論etc
  医療コミュニケーション学/ケアコミュニケーション学/医療コーディネイト論etc

研究課題: 生存政策学の構築
研究組織: 医学研究院・法学研究員・教育学部・生態防御医学研究所
審査部門: 広領域  採択年度:H11  種目:A 代表者:信友 浩一(医学系研究科 環境社会医学部門 教授)