データの中に何が見えるのか?
What we see in the DATA.

これまでのパネルにあるように、地球の周りでは様々な現象が起こっています。これらの現象を知るために、地上磁気ネットワークなどの地上に置かれた観測機器と、WINDやGEOTAIL, SOHOといった人工衛星から得られた磁場や電場のデータの解析をしています。


(1)太陽風から宇宙を見る = WIND

 WIND衛星は地球を焦点とした楕円軌道を繰り返しており、太陽風の様々な様子を観測する事が出来ます。このミッションにより、磁気圏を取り巻く惑星間空間の様子が明らかになってきました。
上段:太陽風の速度
下段:粒子の密度 

(2)地上で宇宙を見る = 地磁気観測ネットワーク

 地磁気観測ネットワークによるデータを利用した解析例を紹介します。地上の磁場を観測することで宇宙環境が知れるという、代表的な研究結果です。


 比較的近い2カ所の観測点のデータから、プラズマの波の速度を計算すると速度差に違いが見られます(図1)。この速度差の違いは、地球の磁力線が宇宙に伸びていったその先の環境によるものだと考えられます(図2)。


(3)電離層で宇宙を見る = FM-CWレーダー
 上の図は、FMーCWレーダーによるデータです。高度300km付近で赤い縞が見えています(緑枠内)。このことは地上上空300kmで電離層のプラズマ構造に、壁のようなものがあることを示しています。

(4)磁気圏尾部から宇宙を見る = GEOTAIL

 右は宇宙科学研究所の人工衛星GEOTAILによる観測データです。このデータから、図中の赤いラインの前後で地球の長い磁気圏の尻尾が縮む様子がわかります。

 このような現象を引き起こすメカニズムは、まだ完全に解明されていません。一般に磁気圏内部のエネルギー蓄積と解放のサイクルによる現象の一つと考えられており、宇宙天気予報に関わる重要な研究として進められています。(C)ISAS

* Courtesy of SOHO/[instrument] consortium. SOHO is a project of international cooperation between ESA and NASA.

パネル作成者: 田中 佳司、中溝 葵、森 一浩、石原 隆一、森 隆志、由井 隼人(理学研究院地球惑星科学部門 宇宙地球電磁気学研究室/太陽地球系物理学研究室)

【会場マップに戻る】 【もどる】 【すすむ】