東アジアのアクティブ・エイジングのために
 いまや人口の少子高齢化は先進国だけの問題ではなくなっています。特に東アジアの人口少子高齢化は、その規模が大きく、速度が速いので、これに伴う変化も著しいのです。日本は東アジアの中でも高齢化がいち早く進んでいる社会として、自らの経験を伝える使命があります。
図1 東アジアは、他に比べて高齢者が大量かつ急速に増えており、今後ますます突出すると予測されている。

図2 高齢者割合では、日本は世界のトップに躍り出たが、今後韓国・中国が日本と同じ勢いで増えると予測されている。

 日本は世界の中でもトップを走る高齢化先進国になっており、これから高齢化する諸国に対して、さまざまな制度改革や意識改革の経験を伝えなければならない使命があります。人口変化に伴う家族・職場・地域の変化は、伝統的な制度や意識では対応できない現実を生み出しているからです。

図3 東アジアでは、高齢者と同居する高齢者の割合が欧米に比べて高かったが、近年急速に減少している。

図4 団塊の世代は、一旦進学や就職や結婚で東京に集まったが、その後東京郊外に移動しており、これで定住するかどうかが注目される。

 高齢化の著しい地域を背景とする九州大学に東アジアセンター・オン・エイジングという教育研究センターを設置することが、その使命を果たすことであります。


研究課題:東アジアの人口高齢化に伴う社会変化の社会学的研究
研究組織:人間環境学研究院人間科学部門共生社会学講座
審査部門:社会科学  採択年度:H13  種目:B-1  代表者:小川全夫(人間環境学研究院 人間科学部門 教授)