“生命の起源”に対する化学的アプローチ 〜もはやSFだけの世界でなく〜(1)
Chemical Approach toward "The Origin of Life"

 オパーリンのコアセルベート説やミラーの実験など、私たちの体をつくる主な分子(アミノ酸など)が生成するまでと、それらが集まって、”機能”を獲得して生物になるまでについて興味深い仮説が唱えられ、実験が行われてきました。


そんな中私達は、『生命の起源』について隕石中の有機物や、膜脂質の選択的透過性などに着目して「無生物的に」探ってゆく方法と古細菌(原始地球に近い環境<高温強酸性>で主に生息している微生物)を「生物的に」探ってゆく方法の2つの方向から研究をしています。



模擬原始地球環境と生物の体をつくる有機分子の生成/変化

 現在では、誕生してしばらく地球は、熱いマグマの海に覆われ、だんだんと冷却したとする説が有力です。通常の有機分子はそんな中では分解してしまうと思われます。一方、隕石や彗星の有機物が私たちの体をつくる有機分子のもとになっていたという説もありますが、熱いマグマの海に落ちた有機分子はどうなるのでしょうか?
 この装置で900度に加熱しても、水(水蒸気)が装置内に残っていればアミノ酸は一部分解されずに残り、塩基性触媒の存在下、ホルムアルデヒドの重合でわずかながら糖質が生成します。

パネル作成者: 村江達士・山内敬明(理学研究院地球惑星科学部門)、河野徹士(理学府地球惑星科学専攻) 

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