木下 智見(工学研究院 エネルギー量子工学 教授)
電子顕微鏡 (電顕)とは?
顕微鏡(Microscope)
直接目で分解できない物体を拡大して見る装置
分解能
肉眼 :0.1~0.2mm
光学顕微鏡 :~300nm=0.3x10-3mm
透過型電子顕微鏡:~0.1nm=0.1x10-6mm
(1mm:1000分の1m; 1nm:10億分の1m)
光学顕微鏡と電子顕微鏡の相違点
・光線の代わりに電顕では電子線を用いる。
・ランプの様な光源の代わりに電顕では電子銃を用いる。
・ガラスレンズの代わりに電顕では磁場レンズを用いる。
・電子線は空気中で吸収されるため、鏡体内を真空に保つ。
・電子線は直接目で見ることができないため、蛍光板や
写真フィルムなどで光に変えて観察する。
電子顕微鏡で得られる情報とは?
電子と物質の相互作用(右図参照)
観るための要素(透過電顕像、回折図形)
1.分解能(短い波長と良いレンズ)
2.明るさ(強い光源・電子銃)
3.明暗の差[コントラスト]
光・電子と物質の相互作用を有効に利用
4.鮮明度(ΔEの除去)(右図参照)
測る電顕(ナノサイズの電子線照射領域の局所分析)
オージェ電子 ・・・表面の電子状態
散乱・2次電子 ・・・表面の組織・形態
X線 ・・・局所組成分析
電子エネルギー損失分光・・・局所状態分析
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